(画像引用元:ゲッサンWeb 「金剛寺さんは面倒臭い」)
「金剛寺さんは面倒臭い」はラブコメ漫画です。
ラブコメ漫画は、ギャグ要素の強い物もあればストーリーに重点を置いた青春活劇物もある広い世代に人気のジャンルと言えます。
そして、そんなラブコメ漫画もとい漫画というジャンル全てにおいての表現の常識を覆した漫画!それが!!「金剛寺さんは面倒臭い」なのです!!!
誰もが思っていた「漫画とはこういうものだ」という定義をひっくり返す程の表現技法と、なおかつラブコメとしてのハッピーエンドも約束された心が満たされる愛の物語。
この2つが合わさった奇跡の衝撃作を読むことで、あなたの世界はいつもよりずっと輝いて見えてくる事でしょう。
今回は、先日完結を迎えたこの作品をまだ知らないあなたのために、すぐにでも読みたくなるその魅力と面白さのポイントをご紹介していきます。
目次
金剛寺さんは面倒臭いの魅力とは?
この作品の魅力とは何か。
どんな漫画か知らない方にとって気になるのはまずそこではないでしょうか。
「金剛寺さん」が大好きな私としては語り切れないものがありますが、強いて簡単にまとめるのであれば、
- 2人が必ず幸せになれる物語
- 本編とは大きく関わりのない物語が織り成す群像劇
の2点であると考えます。
まずラブコメであれば最終的には主人公とヒロインが幸せになるという展開が多いものですが、この漫画は一味違って作中幾度となく2人が幸せになる事をネタバレしてきます!
どんな不安になる展開があろうとも、作者が2人の幸せを保証してくれる以上この漫画は必ずハッピーエンドを迎えるのです!
そしてこの漫画では、本編には直接関わりのない登場人物達でさえ巻き込んで幸せになっていく、幸せのインフレ現象が発生します。
偶然通りがかったおじさんも、迷子になった猫ちゃんも、空へ飛び立つカモメでさえ誰もが幸せになれる物語!それが「金剛寺さんは面倒臭い」なのです!
作者がネタバレ!2人が必ず幸せになる物語
まずこの物語の主人公は2人います。
1人はタイトルにもなっている金剛寺さん、もう1人は地獄からやって来た鬼の青年樺山くんです。
この物語は、付け入る隙のない正論こそが正しいと考える面倒臭い少女金剛寺さんに、自分にまっすぐで嘘のつけない優しい青年樺山君が恋に落ちるところから始まります。
そして、最初は素直になれなかった金剛寺さんも彼の熱意を込めた誠実な態度に心が揺れ動き、第1話にして2人は結ばれるのです。
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」1巻 第1話より)
そして、最初にも説明したように、この後に続くのはネタバレに次ぐネタバレのオンパレード!
2人が真のハッピーエンドを迎えるまでには数々の困難が待ち受けていますが、そんなもの関係ないとでも言わんばかりに作者は2人が幸せになる未来を私達読者に保証してくれるのです!
さらにこの漫画がすごいのは、ちょっとした恋愛イベントを全力で表現してくる作者の熱意!
恋愛漫画だと初めて手を繋いでお互い照れてしまうような、思わずにやっとしてしまうようなシーンがよくありますよね?
そんなシーンも、「金剛寺さん」ではこう!!
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」1巻 第2話より)
全10ページもかけて初めての2人の触れ合いを表現した漫画がこれまであったでしょうか?
いや、ない!!!!
ほんのちょっとした幸せを感じるシーンでさえ、「こんなに世界は綺麗だったのか…!!」と言わんばかりの幸せのオーバーヒートに巻き込まれるのです!
本当に?!本編とは大きく関わりのない物語
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」2巻 第10話より)
この漫画を表現する上で必ず外すことのできない表現、それは、
「本編とは大きく関わりのない物語であるッ!!」
ではないでしょうか。
一度聞くと忘れられないようなこのフレーズが本編中何度も繰り返し使われているのは、2人の幸せな関係を描く物語の傍では常に、「本編とは大きく関わりのない」登場人物や事象が紡ぎだす物語が進行しているからなのです。
例えば第1巻において、金剛寺さんと樺山くんがお茶をしていたレストランには逃走中の7人の銀行強盗が逃げ込んできます。
このレストランには2人の他にも店長、コック、メイド、それぞれの事情を抱えた客等、普通の漫画ではスルーされるであろう人物達も描かれていて、そんな彼らの深いバックストーリーと共に事態が収拾するまでが描かれます。
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」1巻 第5話より)
ですが、あくまでそれは「本編には大きく関わりのない」物語です。
なんといってもこの物語は金剛寺さんと樺山くんが幸せになるための物語なので、2人にとっては目の前にいる相手以上に重要なものはありません。
それでもそんな「本編とは大きく関わりのない」出来事がお互いに干渉し、時には世界を救ってしまう事すらあるのですから読者はその展開に目が離せなくなってしまうのです。
金剛寺さんは面倒臭いの面白さの秘密
さて、そんな魅力あふれる物語ですが、「金剛寺さん」の面白いポイントはこれだけではありません。
彼らの物語を引き立てる要素としては、展開を熱く盛り上げてくれるナレーションの存在については語らずにはいられないでしょう。
私が「金剛寺さん」をラブコメの枠を超えて漫画全体に影響を与える程の作品だと考えている理由は、ひとえに情熱がこもったこの漫画表現にあると言っても過言ではありません。
もはや主役級の存在感を放つナレーションがある漫画なんて、それだけでも読んでみたいという気にはなりませんか?
圧倒的な存在感!脳内に響き渡るナレーション!
本来漫画におけるナレーションというものはその場の状況や歴史の解説など、キャラクター達が置かれている状況をより具体的に分かりやすくするための「神(作者)の声」です。
作品によっては登場人物の内の誰かが老年に若い頃の自分について語っているという設定のものも見られますが、基本的には作品の世界観をより分かりやすく読者に伝えるための説明文だと考えて間違いないでしょう。
そして、今回私が語りたい「金剛寺さんは面倒臭い」のナレーションはとにかく自己主張が強い!!
ちょっとした補足として出てくるなんてレベルではなく、下手をすると主人公達よりも喋っている物語の主導権を握った存在なのです!
感覚としては、昔のアニメやギャグ漫画等に出てくる「説明しよう!!」という熱血なナレーションが常に頭の中に鳴り響き、物語の中に散らばるどんな小さな幸せや伏線も見逃さず教えてくれると言えば伝わるでしょうか。
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」1巻 第4話より)
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」4巻 第19話より)
(引用元:「金剛寺さんは面倒臭い」5巻 第25話より)
そしてこのナレーションに導かれるままに、主役の2人も登場人物も、さらにはこの漫画を読む読者までもが気付けば幸せな気持ちに包まれています。
読了感で言えば100点満点を超えるこの満足感は、是非とも自分の目で見て体感していただきたいものです。
最高傑作の物語!その評価は?
一時期話題になっていたので、知っている方は知っているかもしれませんが、「金剛寺さんは面倒臭い」は2019年の「このマンガがすごい!オトコ編」で堂々の第2位を受賞しています!
私は元々読みきり版の「金剛寺さん」を読んですごい漫画を描く人がいるものだと思っていましたが、このランキングをきっかけに漫画版の「金剛寺さん」も手に取る事になりました。
そんなお墨付きの面白さがある「金剛寺さんは面倒臭い」ですが、この漫画を描いているのは「友達100人できるかな」、「ラブロマ」等の作品を世に送り出しているとよ田みのる先生です。
個性的な絵柄で描かれた特徴的な作品を持つ漫画家さんで、私は「最近の赤さん」という子育てエッセイコミックも大好きです!
もしこの記事を読んで「金剛寺さん」に興味を持たれた方がいたら、是非とも一度他の漫画も手に取ってみてくださいね。
漫画の可能性は無限大
いかがだったでしょうか!
世の中面白い漫画はいっぱいありますが、「金剛寺さんは面倒くさい」はそんな中でもあなたの漫画に対する概念を破壊してくれる衝撃的な面白さがある作品です。
数ある出会いの中の一つとして、これからこの作品に触れる漫画好きの方が増えることを楽しみにして待っています!